折り合ってやっていく
月曜。前日にM-1グランプリ決勝とサッカーワールドカップ決勝という、自分の好きなコンテンツの二大ビッグイベントが同じ日に開催され、明らかにヘトヘトになっているだろうなと予想できたため事前に有給休暇を取得。さらにはホテルも予約しており万全の体制。チェックアウト時間ギリギリまで過ごし、盛岡の街を散策することに。
行きつけの(と言えるほどには行ってない気もする)書店であるbooknerdに寄り、店主と談笑。盛岡に来て早9か月経つものの、「プライベートの自分」はまだ盛岡にいないんですよ、という共感されがたい自分の悩みを打ち明ける。職場にも慣れて、休日は交際相手のパートナーとして振る舞っているが、そういった属性を取り払った時に、個人である私は、まだ盛岡に居場所を見つけられていない。交際相手のおかげで得られる体験はあまりにも多く、困った面よりも良い面のほうが多いのだが、交際相手が出張でいない時などに、自分一人でもこの街に受け入れられている場所もしくは友人が欲しいと思い始めている。ひと回り以上は年下のくだらない話に真剣に耳を傾けて解決策を探してくれる店主に感謝し、その近くのTシャツ屋、6JUMBOPINSでも店主と立ち話。こうやって自分は居場所を作っていけばいいのかもしれない。その後に喫茶店にも寄ろうと思ったのだが、財布を持っておらず断念。
代わりにもりおか歴史文化館にて、さんさ踊りの歴史を学ぶ。この街の歴史を知りたくなったのは、この街の人間として生きていきたいと強く思うようになったからだ。人口29万人の盛岡は帰属意識を持つのにはちょうどいい規模感と歴史と、それにしては異常に多くの祭りがある街だ。来年のさんさ踊りに参加したい、と考えているくらいにはさんさ踊りのことも気に入っている。
そういえば、もう全部やめたくなる、の感情になることがなくなった。この「即リセット感覚」が誰にでもあったかどうかはわからないが、かつての自分は形勢が悪いとすぐにリセットもしくはシャットダウンをしてしまっていた。人生はテレビゲームではなく、電源を消そうとするとさらに不利な場所からやり直しになる。それならどんなに苦しくてもプレイし続けたほうが得じゃないかと、やっと最近気付いた、それだけである。気付いたというか、折り合ってやっていける経験を積んだとも言える。
今年はITパスポート試験と基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験という、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の国家資格を立て続けに3つ取った。地方の非IT企業の営業職が基本情報技術者試験まで実務に必要かというと微妙なところだが、取って損はないだろうなと思ったので取った。次はどうしたらいいでしょうねとキャリアコンサルタントに相談すると、プログラミングをやるべきでは、とのアドバイス。そりゃそうなんですけど。今年の夏に始めたが微妙にしっくり来ていないんですよね、という話をすると、なんで?やりなよ?という反応が返って来るのみで、しっくり来てなさを言語化できていない以上は自分も反論の余地がなく、とりあえずはやれるところまでやって、しっくり来てなさを言語化できるところまでは取り組むべきかと思ったが、なかなか手が伸びず。基本情報技術者試験の記憶が残っているうちに応用情報技術者試験まで取り切るか、簿記2級とファイナンシャルプランナー2級の取得を目指すか、プログラミングを真剣にやるか、いずれにしても全部は選べないのだがどれかは選ぼうかと考えている。なぜ資格勉強に急に目覚めたかというと、友達がいなくて休日を持て余しているからだ。じゃあ居場所を増やしたら勉強しなくなるのか?と思うと、トレードオフっぽさを感じてしまう。全部やってる人もいるのに勝手にトレードオフにしてしまうのも良くない。こんな日記を書いている暇があれば手を動かして勉強するべきだとしても、こんな日記を書くことが日々の折り合いには必要なのだ。