地方で働く中での不足感との戦いについてのメモ
仕事をしていると「足りない」と感じることが多い。とにかく足りない。足りないのが時間なのか能力なのか仲間なのか、もしくはすべてなのか。足りなさとどう向き合うのかが仕事なのかもしれない。不足を不足のまま受け止めると無力に繋がる。足りなさを自覚しながらもその中で何が出来るのかを思考して行動するか、もしくは放棄して無力感から逃れるか。
地方にある、少しずつ業績が落ちている会社で若手社員として働くということは、何をどうやっても不足ないしは無力との戦いになる。周りは経験豊富なベテランばかり。会社からは変革を求められるが、数少ない若手社員だけでやれることはほとんどない。地方は地元企業の購買力もどんどん落ちていく。そもそも人がいない。成長機会、というと言い方は好きではないが、インプットの量も都市で働く人たちと比較すると本当に少ない。デジタル化の波はまだまだ遠く、未だに紙で手書きをする文化が残っている。データではなく感覚や慣習を優先することも多い。新しい何かを始めるにもハードルが多く、そもそも元手となるリソースが無い。ふと気を抜くと「無いもの」ばかり目につく。
20代、特に仕事面ではいろいろあったが、最後の数年でなんとなく、自分はこうやって仕事をするんだな、という目処がついた。仕事よりも生活やメンタルのほうが大事だからこそ、1日あたり仕事を10時間程度やらなきゃいけないので楽しいほうがいい。楽しいこと=「出来る」「何かが可能になる」こと、だと自分は特に思っているので、出来ないことが多くなってくると行き詰まってしまう。不足との戦い方、向き合い方は今の自分にとっての至上命題である。
端的に言えば、今出来ることを積み重ねていきつつ、未来の出来ることをどう増やしていけるか。会社で今実行できることを実施して、その経験の蓄積によって実行可能な施策を拡張していく。現状維持は衰退であるという言葉は地方にいると痛感する。今出来ることを積み重ねて未来に出来ることを増やす。やりたいことや理想ベースで出来ることを考えると苦しくなるから、とにかく現実から考えて、布に水が染み込むように、じんわりと進める。
じゃあ都会にいると楽なのかというと、決してそんなこともないんだろう。むしろ、足りなさを環境のせいにしておけるといい理由で、地方のほうが逃げ道は多い。電源の再投入で解決するような、これは仕事なのか?と思ってしまうような業務の積み重ねの中で、自分はどうやってキャリアなるものを構築していくのか、と考えると不安しかないが、出来ることはあるはずだ。