そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

愛じゃないのに愛っぽくなった

妻と友人夫婦と4人でご飯を食べているときに、松田のマヨネーズが美味しい、という話になったので買ってみたくなった。週末、ちょっと良いものが置いてあるタイプのスーパーのマヨネーズ売り場に行くと、松田のマヨネーズがちゃんとある。しかし、松田のマヨネーズは300グラムで700円くらいする。キューピーの2倍だ。どうしようかな、と思っていると、妻が「自家製マヨネーズを作ろうか」と言った。そうか、マヨネーズって作れるのか。

うちに帰ってマヨネーズのレシピを検索すると、一番上にコウケンテツさんのレシピが出てきた。卵黄、塩、油、酢。これらを混ぜ合わせるだけでマヨネーズが作れるのである。なんて素晴らしいことなのだろう。我が家にはブレンダーがあるので、なにかを混ぜる料理には積極的に取り組むことにしている。

マヨネーズ作りが始まった。卵黄2個を小さじ1の塩と大さじ2の酢と一緒にブレンダーで混ぜる。そして、ここから油を1カップ加える。……1カップ! 200mlの油! 「マヨネーズって本当に油を食べてるんだねえ」と僕が言うと、「食育って感じがするね」と妻が答える。

そして出来上がった自家製マヨネーズを味見してみる。うわ。「卵黄と塩と酢と油じゃん!」と思った。そりゃ、原材料がそうだから、そうにしかならないのだけれど、混ぜることでもっと違う何かになると思っていた。これはマヨネーズというよりも、卵黄と塩と酢と油がそれぞれ存在している。しかし、きゅうりに付けて食べてみると不思議とマヨネーズの味がした。食材が入ってくると急に味が混ざるんだ。食育って感じがする。

じゃがいもを茹でて、自家製マヨネーズを付けて食べることにした。妻がじゃがいもを皮ごと茹でてくれる。僕は皮がついたじゃがいもが好きだ。自家製マヨネーズはほくほくのじゃがいもにとっても合う。実質じゃがバター。油1カップだし。ところが妻は茹でたじゃがいもの皮を剥いて食べていた。尋ねたところ、妻はじゃがいもの皮が苦手だと言う。じゃあ僕のために皮付きのまま茹でてくれたのかなと思ったけど、茹でる前に皮を剥くのが面倒だったから、とのこと。こんなに利害が一致することがあって良いのかよ! と感動してしまった。妻は面倒な作業を省くことができ、僕は好きな食べ方で食べられる。なんか、愛じゃないのに愛っぽくなった。生活をしているとたまにそういうことがある。

そのあと、妻が欲しい家具があるというので家具屋巡りをした。欲しかった家具は別にあったのに、東京インテリアで好みのテーブルクロスを見つけてしまい買うことにした。東京インテリアの後に家具のセレクトショップに行ったら価格が10倍くらいするへんなかたちの家具ばかり置いてあってとても怖くなった。ニトリだとなんとなく物足りなくてセレクトショップにたじろぐ我々のために東京インテリアは存在しているのではないか。

家に帰ってテーブルクロスを敷いて、フライパンでお好み焼きを焼いた。自家製のマヨネーズをたっぷりかけて食べた。松田のマヨネーズってちょうど東京インテリアみたいな立ち位置かもなあと思った。小瓶で1000円くらいするマヨネーズは怖くて買えないけど、松田のマヨネーズは再来週くらいには買うかもしれない。

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