そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

2023.07.12

ryuchellさんのことをずっと考えている。いつかryuchellさんのことをちゃんと文章にしたいと思っていた。できればこんなことが起きる前に。

 

1994年生まれの自分にとって、ryuchellさんは完全な同世代と言える。Z世代より少し上の自分にとって、ryuchellさんは至上のインフルエンサーだ。生き方、あるいはあり方とでも言うのだろうか、そういったものを切り拓いてくれる存在だった。ぺこの彼氏としてテレビに出始め、「ジェンダーレス男子」という属性を背負った頃も(ryuchellさんはこの「ジェンダーレス男子」という属性で括られることに自身の著書などで違和感を表明していた))。ぺこと結婚し、新しい夫婦像や子育て論を発信していた頃も。離婚してレインボープライドなどのLGBTQ+イベントに多く出演するようになってからも。ryuchellさんは一貫して自分らしさを求め、模索し、ありたい姿になりたいと願い行動してきた。その姿は、時に賞賛され、時に非難されを繰り返していた。本人の根の部分はなんら変わっていないのに、人々は自分が理解できるかどうかでryuchellさんのことを評価し、理解できないとなると石を投げた。

わからないという理由で石を投げるな。人の性的志向性自認も、家族関係や恋愛や婚姻や不倫に関しても、すべてわたしたちのエンタメではない。芸能人であろうと消費されるべきものではない。あり方はジャッジすべきものではない。そう思うからこそ、ここ最近のryuchellさんのことを書くのが難しくもあった。「良い」と言うこともまた消費でありジャッジになってしまう。ただ嵐の中にいるryuchellさんを見守るしかなかった。

りゅうちぇるは紅白で吉田沙保里に「呪いの言葉」を言ったのか? - 銘々と実損

昔、こんなブログを書いた。2016年の紅白歌合戦の中のやり取りで批判されていたryuchellさん(この時は「りゅうちぇる」の表記で活動していた)を擁護する記事だ。2023年現在、批判が起きている根拠としてリンクを貼っていたNPO法人・フローレンス代表の駒崎弘樹さんのYahoo!ニュースで書かれた文章はリンク切れとなっているが、下記のニュースを見ればその時の空気感がなんとなく伝わるかもしれない。

りゅうちぇるが吉田沙保里に暴言? 紅白「結婚話」シーン、なお炎上中: J-CAST ニュース【全文表示】

無理解に晒されている人がいれば、自分はどうにかしてそのネガティブな空気を変えたいと思っている。『銘々と実損』というブログでは、いわゆる「擁護記事」をいくつも書いた。できるだけポジティブに。誤解があればなくなるように。

 

いつか今のryuchellさんのことを書きたかった。そう思っていたけれど、ついにできなかった。書いたからといって世の中が大きく変わるわけではないし、結局は自己満足でしかないのかもしれないけれど、何があっても私はあなたの味方で、あなたの生き方に勇気づけられた1人だよってちゃんと伝えたかった。自分らしく生きていいのだと、私はあなたから教わった。