モンタージュ・エイジ part1
とつぜん髪を脱色した女の子が「最悪なゲームセンターに行きたい」と言ったので、僕も対抗してとつぜんパーマをあてて、手頃に最悪なゲームセンターに行って遊んだ。
本当に久々にメダルゲームをしたけれど、何も当たらないまま、みるみるうちにメダルが減っていって、向いてないな、とだけ思った。
そのあと、とても古い機種でプリクラを撮った。2013年に出た機種で、友人は「古い…」と呟いていた。プリクラを撮るのは4年ぶりだったから、僕にとっては「あの時の最新機種」でしかなかった。共有できない古さの実感を歪めるように、目が中途半端に大きくて頬の赤い僕が、ばかでかい機械からシールにされて排出される。誰だ。
もうすぐ仙台を離れる友人に、仙台でいちばん好きな景色を見せたいと思った。海へ。あんなことがあったのに、いや、あんなことがあったからこそ、仙台で1番美しいのは海だと思う。綺麗だけでは片付けられない感情をすべて飲み込んだ海が、悔しいけれど大好きだ。
工場夜景を見ていた。僕たちは不良にはなれない。髪を染めても、深夜に出歩いても、お互いを裏切っても。言うならば悪だと思う。良くない、じゃなくて、悪い。ぼんやりと悪い。
中古のCDを買った。Base Ball BearのC。大好きな曲が入っている。
「幻を抱いて翔べ 着地点がまた幻でも」