そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

そうやって信じられる風景がある

 

冬になると聴きたい音楽がある。たとえば南壽あさ子の『冬の旅人』とか。もう今年一杯は原付に乗ってやるものか、と思いながら駅へと歩く。

 

友人にLINEしてしまう。

「いいじんせい。今日死んでもいいな」

「今日死んだら会えないから」

「うん、もう会いたくないね」

 

誕生日が近い。素直にうれしい。

せっかくだし、欲しいものを考える。自分が欲しいものをあまり意識せずに過ごしているから、こういう機会がないと自分の好きなものがわからない。いざ、街へ!

 

実用的なものばかり浮かぶ。とりあえずは手袋とマフラー(いい加減寒くなってきた)、LINEのプリペイドカード(かわいいスタンプを買い漁りたい)、『コンビニ人間』の単行本(まだ読めていない)、新しい靴(冬用の靴が一足もない)、マスキングテープ(いくつあってもよい)、Bluetoothのイヤホン(iPhone7で今のところ音楽を聴けないから困る)、とここまで列挙して、つまらない人間だなあと思った。つまらない。つまらなくてたまらない。つらくない?

生活に押し潰されていく。イオンモールがあれば全部揃ってしまうような量産型の欲望。だからずっと田舎者のまま。

 

ユニクロ史上最も暖かいヒートテックが冬ごとに更新されていく。今僕が着ているのはユニクロ史上3番目に暖かいヒートテックです。

 

素敵な人は、「〇〇というブランドの〇〇が欲しいな〜」と、芯のあるこだわりと眩しさを持っている。いいな。みんなどうやってそのセンスを身に付けているのかこっそり教えてほしい。僕は腕時計が欲しいのに、具体的に「どこの」「どういうデザインの」腕時計が欲しいか分かってない。いつまで経っても欲しいものに辿り着かずにショッピングモールを右往左往している。

あっ、具体的にひとつ、日本工芸版のモノポリーが欲しいです。欲しいけど絶対に必要が無いから買わない。他にあるだろ、と思う。

日本工芸版モノポリー|中川政七商店公式通販サイト|中川政七商店公式通販

 

人にめちゃくちゃディフューザーをあげるくせに自分は持っていないので、いよいよ自分に買ってあげようか。あっBRUNOのコンパクトブレンダーが欲しい、スムージーが飲みたい。どミーハーなのでぬいぐるみも欲しいな。

あれ、欲しいものすげーあるじゃん。

 

ぼんやり無印にいたら昨日の書店の友人に会う。「帰ってこないものあるよな、いろいろ」

年に数回ある、アンテナがぴたりと合う瞬間なのかもしれない。きっとご飯に行ったら楽しいことになると思う。約束はせず別れた。