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何卒最低

This is the meaning of my life.

ウサギとカメと宮田悠平

 

あるところに、かけっこが大好きなウサギさんがおりました。

「ぼくは足が早いぞー!どんな奴にも負ける気がしないぜ!」

「あっそうだ」

ウサギさんはカメさんに声をかけました。

「ねぇねぇカメさん!かけっこしようぜ!」

「うんいいよぉ」

「ちょっと待った!!!!!」

宮田悠平(37)が急に大きな声をあげた。

「ウサギさん、君は短距離走が好きだったね」

「ああ、専門は100mだけど200mも走るタイプのスプリンターだぜ!」

「対してカメさんは、どちらかというと長距離が得意だ」

「そうだねぇ、本当は42.195kmが走りたいんだけど、所属する実業団の意向で駅伝に注力せざるを得ないタイプのランナーだよぉ」

「俺はさ、ウサギとカメがちょうど同じタイミングでゴールする距離、すなわち均衡点を見つけたいんだよ」

「つまりは、私とウサギさんが同着になる戦いが見たいってことぉ?」

「うーん、戦いが見たいというか、単純に均衡点を求めたいだけだな」

宮田悠平(37)は物事の境目を探すのが好きだ。

例えば、「おはようございます」と「こんにちは」の境目は、だいたい11時。「東日本」と「西日本」の境目は、糸魚川静岡構造線

わからないことも多々ある。「友達」と「恋人」の境目とか。

 

「なんでもいいからさっさと戦おうぜ!」

「でもやったことがないから、だいたいどこらへんかわからないねぇ」

「とりあえず専門距離の中心点を取るのはどうだろうか」

宮田悠平(37)の提案によって、ウサギの専門である100mと、カメが普段走るニューイヤー駅伝6区の11.8kmの中心点である、5.75kmで対決することになった。

 

第一レース(全長5.75km)

実況「さあ始まりました、ウサギとカメによる夢の対決。本日は解説に宮田悠平さんをお迎えしております」

解説「解説の宮田悠平です。よろしくお願いします」

実況「さて、第一レースは全長5.75km、高低差の少ない里山に設けられた特設コースになります」

解説「普段走り慣れているのでウサギさんに地の利がありそうですが、距離の適性を考えるとカメさんに分がありそうですね」

実況「さあ、いよいよスタートします!」

 

位置について、よーい、ドン!

 

実況「ロケットスタートを見せたのはウサギさん!ぐんぐん後続に差をつけて行きます!」

解説「長くは続かないでしょうね」

 

(200m地点)

ウサギさん「カメのやつまだスタート地点からほぼ動いてないぜ!俺の勝ちだ!」

 

実況「さあウサギさん、序盤の難関である緩やかな上り坂に差し掛かりました」

ウサギさん「正直もう飽きた。つらい」

実況「えっ」

解説「言わんこっちゃないですね」

 

(300m地点)

ウサギさん「もう寝ます」

実況「おっと早くもウサギさんがまさかの競争放棄だー!」

解説「筋書き通りすぎてダサいですね」

実況「一方カメさんの様子を見てみましょう。バイクリポートお願いします」

 

バイク「えー、カメさん、まだスタートしていません」

実況「えっ」

解説「えっ」

 

カメさん「実際この距離なら絶対勝つんでぇ。なんなら今からIKEA行って帰ってきてからでも余裕ですわぁ」

解説「レース中にIKEA行っちゃダメだろ」

カメさん「そのあとニトリも行きますねぇ」

解説「亀が家具を揃えようとするなよ」

 

記録

1 カメさんとおしゃれなスツール 6時間43分24秒

2 ウサギさん 記録なし

 

「結局スツール買ったのかよ」

「座り心地めっちゃよいですねぇ」

「そしてウサギはすぐ競争をやめないでくれないか」

「長いと飽きるんだぜ!今日は疲れたし帰っていいか??」

「いやお前、ほぼ寝てたぞ」

「とりあえず明日にしませんかぁ?焦ることはありませんよぉ」

 

ウサギとカメと宮田悠平の戦いは明日に持ち越しとなった。

 

 

(気が向いたら続きます)

 

 

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