そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

クラブ・ダイドー

 

妖魔みたいな顔をして、ダイドー自動販売機を求めながら彷徨い歩く。500ml缶の炭酸飲料にしか癒せない傷があって、冷えたロング缶を持っているだけで幸運になれる錯覚とともに青春時代を生きてきた。永遠に当たらない4つの数字を見つめて日が暮れた夏休みのこと。

 

コカ、コカ、コカ。たまにサントリー。足りないのは本当に水分だったのか。卑怯さとか優しさとかを持ち合わせている生命体として、ひたすら歩くのも悪くはない。コカ、キリン、コカ、アサヒ、伊藤園、コカ。夏休みのない僕はジャケットスーツを着て、1mlあたり0.2円の永遠を探す。

 

ダイドーはついに現れなかった。見つかるものだと思って文章を書き始めた。ないものをあったことにはしない。必要以上にドラマチックの手を借りない。代わりにマッチのロング缶を買って歩いた。こちら側に向かって歩く女子高生がみんなタピオカドリンクを持っている。笑っている。俺はマッチのロング缶を持っている。そこに意味は求めない。世界は広い。ダイドーは遠い。ミスティオを、さらっとしぼったオレンジを、狂ったように飲んだ夏のことを。CLUB DYDOのポイントを集め続けた夏のことを。俺は今でも思い出している。

 

CLUB DYDO|ダイドードリンコ

 

 

 

 

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