そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

出来ない、を諦めるまえに

 

小学校の頃から、僕は学校で1番にはなれないし、クラスでも1番ではなかったけど、とりあえず3番か4番くらいにはなれた。

 

自分の得意はいろいろあった。たとえば音読が得意だった。小学校の頃はよく教科書を音読する機会があって、友人たちが詰まってしまう中で、すらすらと読むことができた。

ほかにも、勉強ができた。作文が書けた。そしてこれらの全てで、クラスには自分よりも「上」がいた。飛び抜けて才能を持った誰かがいて、僕はいつも3番か4番になった。

 

けれども、3番手あたりに位置することができれば、1番や2番の人が「やらないこと」をやることによって、自分の特別感みたいなものを演出することができた。

だからかもしれない。僕は3番手くらいで満足する癖がついてしまった。3番であっても、すこし手を加えれば一目置かれる存在になることを覚えてしまったのだ。

クラス内のポジション的なものに苦心した覚えはあるけれど、その度に自分の「3番」を特別なものに見せ続けてきた。人とすこしだけ違う、に快感を覚えてばかりいた。そうすれば、みんなが褒めてくれるから。

 

同じくらい、苦手なことがたくさんあった。絵が描けない、字が汚い、裁縫ができない。でも、その苦手のジャンルがだいたい「不器用」に当てはまるものだったから楽だった。自分は不器用なのだ、と思うことで全てを許せた。「出来ない」に慣れてしまっていた。

 

僕はずっと、心のどこかで自分に満足して生きているんだと思う。中学から高校にかけて、ずっと自分が嫌いだと言い続けてきたけれど、そうやって自分を卑下することも含めて、ぜんぶ自分の思い通りなのかもしれない。

 

出来ることに満足し、出来ないことに関しては諦める。その満足と諦めが、自分の中で思い描く理想とかけ離れていたとしたら、すごく悲しくなってしまうだろう。

たとえば、音楽が大好きで、将来はロックバンドを組んでデビューしたい、という理想を描く人が、ギターを弾けなかったら。満足も納得もできず、自分に絶望してしまうかもしれない。

容姿についてもそうだ。自分の思い描く理想の顔やスタイルに対し、現実の自分がなかなかそこに近付けないのなら、ひどく落ち込んでしまうだろうし、自分を肯定することが難しくなってしまうと推測できる。

 

僕は自分を諦めることが本当に多い。いや、諦めるというより、数多くの「出来ない」に対して、すんなりと納得してしまう。だから、出来ないを出来るに変えようと努力することが少ない。それよりも、自分の3番をどう誤魔化していこうかばかりを考えている。

 

このことによる弊害がたくさん生まれてしまっている。1つは、「出来ない」に対しての向き合い方だ。僕はいろんなことを諦めてきたから、「出来ない」ことを「出来る」ようになった経験に乏しい。思い通りにいかないことを自分の努力で解決した体験がほとんどない。

2016年は、僕にとって「出来ない」の連続だった。そして、自分の中で諦められず、納得できないような失敗がたくさん起きてしまった。今までの「出来ない」とは種類が違う。やりたかったのにできない、がこんなに辛いことだとは思わなかった。

 

この「出来ない」をどうしたらいいのかがわからないのだった。この歳になるまで、自分の苦手と真剣に向き合うことのなかった自分が恥ずかしくもあった。

僕は簡単に物事を諦める割に、譲れないものに関してはとことん譲らない性格で、そのひねくれた頑固さがたくさんの人を傷付けた。どうしたら人とぶつからなくなるのだろう。どうしたら上手くやっていけるのだろう。あの時、何を言って、何をしてあげられればよかったのだろう。

そういう性格だからな、と諦める(開き直る)ことは、昔なら出来たし、今でももしかしたら出来るのかもしれない。けれど、この性格によって引き起こした事件は、決して自分の理想ではなかった。思い通りではなかった。

 

僕は僕の人生を思い通りにするために、いろいろな「出来ない」に向き合わなければならない。大学だってそうだ。自分が単位を落としてしまいがちなことを、もう諦めてしまってはいけない。2016年のたくさんの失敗を諦めてしまえば、きっと僕はこのままどんどん、僕や周りの人々の理想を奪ってしまうだろう。

 

2017年の目標は、「出来ない」を諦めないこと。

3番で満足していられる時期は終わった。気付けばクラスも学校もない。その代わりに広い広い社会があって、クラスや学校とは桁違いの数の人々が暮らしている。そこでは3番にすらなれない。誤魔化したって評価されることもない。満足出来ることはどんどん減っていく。思い通りにいかないことが増えていく。

だから、自分で思い通りにするしかない。自分の力で変えていくしかない。

 

現状に満足しないこと。かといって、不平不満ばかりを口にするような、退屈な人間には決してならないこと。極めて姿勢はポジティブに、肯定的に挑戦する。

そのために、現実的かつ具体的な目標を立てたい。有効な努力には有効な目標を。

 

今年こそよろしくお願いします。