そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

Smithは本当にお洒落なのかどうかについて考える

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仙台PARCOのSmithが1階に移転した。

Smithを知らない方に簡単に説明する。「ちょっとお洒落な文房具屋」である。

僕はよくこのお店に通う。東京に行く時も、アトレやらヒカリエやらに入っているSmithに必ず行く。必ず行って、何も買わずに外に出る。特に欲しいものはない。

ではどうしてSmithに行くのか。

Smithの店内を見渡す。鮮やかな色をしたカードケースも、滑稽な格好をした猫がペンを支えてくれるペン立ても、少ししか書くところがないノートも、不思議な形をしたペーパークリップも、全部僕の生活には必要が無い。全くもって不要だ。

それらの代用品なら僕はいくつも持っている。紺色で地味だが機能性の高い名刺入れ、丸い缶をくり抜いたペン立て、無印良品で買ったリングノート、銀色のどこにでもあるクリップ。僕が持つ全ての生活用品はきっとSmithのそれより安い。

がしかし、Smithの商品は格段にお洒落な感じがする。あの陳列のせいだろうか。店の雰囲気だろうか。はたまた、店員が身に付けている緑の前掛けのせいだろうか。

Smithが「本当にお洒落なのかどうか」の判断を僕は出来ないでいる。センスのある人間はSmithで物を買わないのではないか。あれは似非お洒落なのだ。ダサダサの一般人が、いつもより少し多めにお金を払うことで充足感を得るためのお店なのだ。と思う。

いやでも、あのロールペンケースを使っていれば、ちょっとした違いは生み出せる。「あいつはペンを布に巻いて収納するような男らしいぞ」と誰かが噂をしてくれるかもしれない。ペンを布に巻いて収納するような奴がお洒落かどうかは知らない。

確か高校生の頃だったが、2個下の女の子からSmithで買ったノートを貰ったことがある。残念なことに当時の僕は、Smithに全く興味が無かった。ヴィレッジヴァンガードやらRainbow SPECTRUMやら、キラッキラの高校生御用達みたいな雑貨屋を愛していたので、Smithのシックな雰囲気の良さにまだ気付いていなかった。

この出来事も僕を悩まされる一因になっている。その子はお洒落だっただろうか。いくら考え抜いても、やはり「本当にお洒落なのかどうか」の判断が出来ない。

だから僕はSmithが「お洒落かどうか」の最終的な判断を下せるようになるまで、Smithに通い続けようと思う。ちなみに今のところは、最初に書いたように「ちょっとお洒落」です。