そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

触れる

f:id:arsm12sh:20170308165007j:image

久しぶりの水族館。年間パスポートが失効してから、全く行かなくなっていた。

 

一時期、いろんな水族館に行った。かつて付き合っていた彼女が水族館を好きだったからだ。

今はなくなってしまった松島水族館や、クラゲで有名な加茂水族館、神奈川にある江ノ島水族館、そして地元のうみの杜水族館が出来てからは年間パスポートを買って何回か行った。

僕はあまり水族館が好きではなかった。そのことは大した問題ではなかったかもしれないし、今思えば重大なすれ違いだったのかもしれない。どちらかというと遊園地に行きたいと僕は思っていた。彼女が温泉に行きたいと言った時に、今回こそは何が何でも遊園地に行きたいと僕は主張して、遊園地に行って、それからすぐ別れた。

 

2人で水族館に行ったあの時の僕はうまく楽しめていただろうか。  

たぶん不機嫌そうな顔をしていたように思う。

 

f:id:arsm12sh:20170308214057j:image

水族館が嫌いなわけではなかったんだと気付く。行きたいところがもっとあった、ただそれだけだった。 2人で行ければどこでも良かったんじゃないの、と今の僕は思う。意固地になっていた。色んなことをしたがっていた。それでいて、あの日々が永遠に続くと思っていた。

f:id:arsm12sh:20170308214523j:image

きっと温泉だって行ける。水族館も楽しめる。イルカを何時間でも眺められる。もう終わったことだから。

あの時許せなかったことや譲れなかったことを、純粋に楽しめなかったことを、ぶつかりすぎたことを、これからの僕がどう頑張っても取り返せやしないものを、せめて繰り返さないように。

空中にセットされたボールにタッチできなかった哺乳類は、合図を待ってもう一度飛ぶ。

 

f:id:arsm12sh:20170308215944j:image