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そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

千里眼を謳う

 

大陸側の正義に翻弄される代替可能な日々を歩けば、昨日は躓いたからと古いセーブポイントを探して再スタートを切るための待ち時間に潜む焦燥、その間にも先へと進んでいる好敵手の声でまた動けずにいる。理想を掲げたプラカードは虚しく色褪せていく。

光らなくなったボタンは誰かが選んだ証拠。売れ残りの瞬きを崇める真似はやめてほしい。くすんだ人々の汗や体液のうつくしさに汚されて、aとiの間にある距離について考えてしまった彼は正論を盾にも鉾にも使うだろう。便利な道具を得たんだ、これさえあればどんな憂鬱だって壊せる。ところが壊れたのは憂鬱それ自体ではなく、憂鬱に仕えし聖者たちだった。

墓地はこちら。様々な死に物が列を作っている。捨て切れぬものたちの足取りは重いのだが、一度幽霊になってしまえば足など無くなるので関係が無かった。接見の機会を与えられた悲しみがいくら泣き叫ぼうと、ガラス1枚隔てたこちら側には全く響かない特殊な防音機能を完備している現代という名の牢獄。誰かの憤りはワイドショーにおいて薄く細くスライスされ、コメンテーターが大きな口を開けて食べてしまう。

代替可能な僕らの日々は、誰でもいいのにべらぼうな賠償金を請求している。そこに一度選ばれてしまったら、命はないと思え。ポーズもセーブも許されない穴だらけのステージで、理想が霞んだプラカードでぶん殴られ続けて、光るボタンを次々押していくのだ。

 

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