そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

サイゼリヤで会計をちょうど済まして世界を救う

圧倒的な低価格と料理の提供スピードの速さ。そしてそれなり味のスパゲティとペラッペラのピザ。店内に集いし貧乏人。

皆さんもご存知、イタリアンレストラン・サイゼリヤの話をしている。

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サイゼリヤの料理の価格は、299円や399円など、あえてキリの悪い数字となっている。

このような価格設定は「端数価格」と呼ばれ、300円・400円よりも安く感じる、らしい。

確かに、ミラノ風ドリアは200円台というイメージがあり、だからこそ安く感じる。僕らはサイゼリヤの策略にまんまと嵌められているようだ。

 

さて、皆さんに一度考えてもらいたい。

サイゼリヤのレジで、お釣り無しで会計を済ませたことがあるだろうか?

 

僕は記憶に無いのだ。

だいたい会計は399円(ピザを食べたとき)だとか698円(ピザとミラノ風ドリアを食べた時)だとか579円(ピザとドリンクバーのとき)になる。ピザはマスト。

そして僕は400円とか1000円を店員に渡して、店員は必ず端数の金をお釣りとして返す。サイゼリヤの価格設定ではほとんどの確率で1円か2円が返って来る。

 

サイゼリヤの店員は僕がお金を出す前から当然のように1円玉を用意しているように見えた。

 

「ああ、また会計の客だ。1円玉を用意しておくか…」

 

サイゼリヤのアルバイトが最初の研修で学ぶのは、ミラノ風ドリアの作り方でも、ピザの焼き方でも、注文の取り方でもない。いかに1円玉を用意し、客に渡すか。それを10時間ほど練習してやっと、レジの仕事ができる。

 

「愚かな客だ…この1円玉が欲しいならくれてやる…」

 

店員は貧乏人がお釣りの1円玉に手を伸ばす様子を冷笑するかのように見つめる。サイゼリヤに通う人間は確かに貧乏で、1円1銭たりとも逃さないという気概でお釣りを受け取っていた。

 

サイゼリヤが価格設定を端数にする真の目的は、ここにある。

 

店に集いし貧乏人が、1円玉ごときで阿鼻叫喚する愚かな姿を見たいのだ。

それにより、サイゼリヤ自身がいかに格の高い存在であるかを示す。客はサイゼリヤに1円を受け取るためだけに通うようなものだ。

 

サイゼリヤは客を徹底的に見下し、それなりの味の料理を提供し、最後に1円玉を渡す。

客は必ず1円玉が受け取れるものだと信じている。もし1円玉が店員から渡されなかったらどうなるだろう。答えは明白だ。

「お前達はこの1円が受け取れなかったならば、怒り狂い大騒ぎするだろう。たった1円で本当に無様なものだ…」とサイゼリヤの黒幕がほくそ笑む。

なんて性格の悪い店なのだ。

 

僕はこの構図が許せなかった。俺は1円玉などいらない。受け取りたくもない。

だから。

 

サイゼリヤで会計をちょうどで済ませてやる。

 
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僕はサイゼリヤに向かい、タラコソースシシリー風(399円)を食べた。

 

僕「うまいうまい。これぞ貧乏人の味だ」


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そして代金である399円をちょうど用意した。

 

 

僕「会計お願いします」

(店員、この時点で1円玉を握りしめている)

 

店員「タラコソースシシリー風が1点で、399円になります」

(ふっふっふ…愚かだ…お前も1円玉がほしいのだろう)

 

僕「これでもくらえ!!!」

ジャラジャラジャラ…

 

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店員「こっ、これは…」

 

僕「受け取れよ、399円ちょうどだ!!!」

 

店員「なんだと…399円ちょうどだと…‼」

 

僕「お前はどうして1円玉を持っているんだ…まさか俺が400円を出すとでも思ったか?」

 

店員「くそう…399円ちょうどで会計を済ますとは…お前…いったい何者だ…!?」

 

僕「お釣りはいらねえよ(決め台詞)」

 

店員「ちくしょう…‼」

(店員、口からアラビアータを吐き出しつつ倒れる)

 

 

 

こうして、僕は世界を救った。

 

なんの話でしたっけ。ぼくもわかりません。