そこが海ではないとして

This is the meaning of my life.

底海

回転と10月20日

10月20日は僕たち3人にとって、それぞれ特別な意味を持つ。 ある人にとって10月20日は、大切な人を失った日だと言う。 彼女はその時のことをゆっくりと語ってくれた。命日という言葉は、音の響きでは抱えきれないほどに重い。事の大きさに胸を衝かれ、話の中…

怪獣の部屋

今年の初めにカメラを買った。ちょうど40,000円のミラーレス一眼。 衝動買いだった。気持ちが深く深く沈んで、立ち直れそうにないときに、僕はよく大きな買い物をする。 物に自分の未来を託している。物から進むべき方向の示唆を得る。受動的な姿勢ではある…

大きく愛を撃ちぬいて

おんなじおみくじ引いてしまう。「こんなことってある?」と顔を見合わせる。こんなことがもうずっと続いていて、不安になるくらいにうれしい。 この人を逃すな。別れの数がそれなりに多いから、ふたりともその難しさや尊さをよく知っている。楽観はしていな…

全選択、カット、ペースト。

大体が代替可能だった。抱いた理想は偉大だったが解体が終わった途端に会いたいなんて声も聞こえなくなった。 図書館では「読む」という行為が禁止されたので、誰もが各々を語るようになった。蓄積されていく蔵声。ところが、カルチュア・コンビニエンス・ク…

海は潜っても海のまま

一体何を持ったらしあわせを認めてくれるんだろうね。結局自分で自分をどうにかするしかないのはわかっていて、欲しいものについて考えている。 この1年、本当に僕はよく頑張ったと思う。頑張ったと思う。しかしそれは誰にも伝わりそうにないことがわかって…

IF I AMの後輩のこと、とか

後輩の話はあんまりしないのだけれど、言ってしまえば超好きです。ちょーすき。 ここでいう後輩とは自分が所属していた学生団体・IF I AMの後輩たちのことで、全員の好きなところ1時間ずつ喋れるくらいには好きです。ほんとです。 自分が学生団体を5月に卒業…

形振り

僕には2人の親友がいた。このブログにも幾度か登場させたことがある。ひとりは中学の時の同級生の男で、もうひとりは大学に入ってから出会った女性だ。 親友と言っても、いつも行動を共にするとか、毎日LINEでやり取りをしているとか、そういう仲の良さでは…

9月4日

ブログを書いてると、読んでくれた人から「大丈夫?元気?」ってよく聞かれるけど、だいたいは元気です。ちょーたのしい!しあわせ!って時にどういう文章を書いていいかわからないもので。もちろん元気じゃない時もあります。そういう時はだいたい支離滅裂…

僕の時代は終わった

なんでもいいけど捨ててよ。風が吹き飛ばしていった夏らしきもの、少しだけ鉄格子にへばりついている。月見にも紅葉にも収穫にも読書にもまだ早く、9月は何をすればいいか時々わからなくなる。思い出したかのように快晴。2017年の仙台に夏が無かったこと、他…

生きるのがうまくない

寝るのがあんまりうまくない。これでも少しはなんとかなってきた方で、去年の秋から半年間くらい、このブログを始めたあたりからの頃は毎日朝の6時とか7時とかまで起きていて、それから寝て14時くらいに起きて、みたいな生活を送っていた。そういう態度で許…

部屋の掃除をしていたらだんだんとエモくなってくるあの感じに名前つけたい

ふと気付くと部屋掃除ではなく模様替えと表現した方が適切な状態だ。30リットルも入るゴミ袋がいつもパンパンになる。ひとまず床に様々なものを仮置きする。そこに広がるのは過去の生活の化石みたいなもので、考古学者と化した僕がたくさんの記憶を掘り当て…

黙ってて

インターネットという空間に自分の言葉を残すようになって10年近くが経つ。冊子などにしてしまえばびっくりするほど薄っぺらくなってしまうだろうけれど、形を変え名前を変え媒体を変え…というように、ひとまとめにできないくらいにあちこち投げ捨てているの…

深紫

盛岡と一ノ関の間の東北本線は外装も座席シートも紫色で、遠くに来たなという気分になるから良い。仙台市地下鉄南北線の優先席も紫色だけれど、こんなにディープパープルしている空間ではあるまい。 ここで僕は「紫色が深い」ことを「ディープパープル」と形…

夢にまで見た

夢を見ていると時々、どこか見覚えのある風景に出会い、「ああ、ここは昔に来たことがある場所だ」と思い当たる。しかし、「昔に来た」という記憶が本当かどうか判然としない。夢の中において真実がすっかり書き換えられる、なんてことはざらにあるのだから…

世界恐慌

世界恐慌が起きる夢を見た。 どうしようもないくらい世界恐慌はこわい。どうしてこわいのか。僕は世界恐慌を歴史の教科書で知ったのだが、教科書に書いてあった世界恐慌は、その悍ましい名称や当時の悲惨な写真、そして顛末とは裏腹に、歴史の教科書レベルの…

愛す

靴の先端が濡れている。 接触を封じられたら、ひたすらに言葉を空中に放るしかなく、その言葉がどこに落ちようと、誰を傷付けようと、僕は責任を持つこともしないのだった。幾多の街が滅びようと、僕の届けようのない思いが、現在のあなたに墜落することを祈…

無敵の代償

友人たちと海に行った。誰一人として海が似合わないような友人たち。短歌会で出会って、まだ数回しか会っていないのに、かけがえのない友人たち。 遅刻した一人が、スケートボードに乗ってレンタカー屋の前にやってきた。その姿が滑稽すぎて誰も遅刻を咎める…

愛してくれとは言わないが

蒸し暑くなると思い出すのは何、なんでしたか。当方、3年前の発端と2年前の失敗を挽回しようと必死。戻れないけど。もう1年近く頭おかしくなってるんだ、笑えよ。自分が執着していたものを見捨てることはできない。川谷絵音の率いるバンドが新譜を出したから…

過去に言葉は届かない

失ったということだけが明らかな月曜だ。 取り戻せない色々について、ここ1年はずっと考えていたような気がする。取り戻せなくなった原因はずっと自分にあって、悪人というラベルが貼られているまま生きている気分、いや気分というよりかは事実として僕は悪…

一石を投じる

梅雨前の、春とも夏とも言えない生温い空気を季節外れの半袖と自転車で掻っ切って、週6回・休憩込み12時間を過ごすいつもの場所に向かう。信号のパターンを読んで、あえて手前の角で曲がり、その先の歩行者専用道路を走り抜ける。出勤20分前まで家で寝ていて…

シンコペーション/薙倒す

これは、覚悟の話である。 5月の中旬あたりから、右の耳に違和感を覚えるようになった。音が若干聞こえにくい、と表現するには大袈裟で、取り立てて何か書くべきこともない。ただ、ずっと違和感がある。右側の世界が歪んでいる。 誕生日も五十音順も遅いから…

甘くなる

自分に対する発見がここ数年無いことに気付いた。 自分がどんなことが出来て、どんなことが出来ないかということも大体分かっていて、交友関係もほぼ固まっていて、やることといえばほぼ手癖、ルーティン。 新しいチャレンジを全くしていない上、環境変化も…

出来心と猜疑心

このブログは、もう生きるのやめよう、と本気で思った時に始めた。 このままじゃいけない、このままじゃだめになる、と思いながらも気持ちがどうにもついて行かず、地を這うような日々を誤魔化そうと、色んなことをした。生活は荒れた。今までやってなかった…

すぐに夜になった無限

人生が充実してたらこんなブログなんていらないと思いませんか。 春なので桜を見に行く。単純な思考に支えられる単純な日々がいつまで続くのだろう。生きるのは簡単なので、どんどん幸せを消費している。 スイッチは至るところに隠されていて、押したら中途…

語り得ぬ眼差しは誰のため

ちゃんと海だった。 友人たちの新生活、すなわち新社会人生活が始まった。最前線で戦う友人たちを称えたい。 自分に出来ることといえば、Twitterで労いのリプライとハートを送ることしかないけれど。彼らが傷ついたら真っ先に駆けつけたい。いろんな人に救わ…

波を乗り越えて

美味しいものしか食べてない問題。しかも高そうなものを。料理名のわからないものを。 LINEのトークルームに桜が舞っている。だからちょっと色んな人とLINEをしたくなって、送る。送りまくる。幸せな気分はきっと長続きしないの。君も知ってるでしょ僕のこと…

そこが海ではないとして

そこが海ではないとして、泳ぎ続ける愚かさもいつかは報われるだろうか。 たとえば濁った沼。隈なく探したところで抜け道は無い。生まれては死んでいく微々たる生命を食い繋ぎながら、自分も生態系の中で大した意味を持たないことに気付く。 たとえば水族館…